【読書日記】平等ゲーム
題名: 平等ゲーム 著者:桂 望実 ※小説のネタバレの可能性があるため、気になる方は読まないことをお勧めします。 あらすじ 瀬戸内海に浮かぶ「鷹の島」。そこでは…島民1600人が、全員平等。現代社会の歪みを是正するために生まれた、究極の楽園。人々は、嫉妬や私欲にかられることなく、何不自由ない豊かな生活を約束されている。まさに、天国。の、はずだった―。 主人公はこの鷹の島で育った青年(以下、主人公)。 そこに日本本島から移住の権利が当選した青年(以下、青年)を案内するところからストーリはスタートです。 移住権の当選確率がすごい低いという設定があるのですが、それだけ平等に過ごせるとか不自由ない生活への憧れがすごいということなのでしょう。 現実でも憧れる人は多そうです。 主人公は、島の平等システムに誇りを持っており、これほど素晴らしい世界はないと絶賛しています。 仕事は抽選で持ち回り、全て平等に決められる世界です。ある意味小さな社会主義の国と言えるかもしれません。 青年はそこで暮らし始めますが、あるとき主人公に尋ねます。 「いくら用意すればいいのでしょうか?」と。 わかった方もいるかもしれませんが、袖の下というやつです。 完全な平等なんてなかったというやつですね。 いくら納めればこの仕事に就かせてくれる便宜を図るなどが、恒常的になっていたが、 主人公はそれを知らなかっただけです。 平等システムに誇りを持っていた主人公は、このことにかなり衝撃を受け、 島全体に不信感を抱き、結果・・・、は実際に読んでいただければと思います。 さて、主人公にとって島民にとって、完全な平等が本当に約束された状態だったとして、 本当にここは天国だったのでしょうか? 仕事の割り当てが平等ということは、したくないこともしないといけないし、 得意なことに当たればラッキーですが、苦手なことに当たればその年は憂鬱です。 あらずじに何不自由なくと書いてますが、実際は不自由な感じがします。 仕事があみだくじで決まるのを想像してみれば、ですね。 それでいいという人もいるでしょうし、嫌な人もいるでしょう。 私は自分で決めた人生を歩みたいと思ってます。 皆さんはこの平等の島に住みたい、永住したいと思いますか? それともある程度制限と不平等の中