【読書日記】余命10年

題名:余命10年
著者:小坂 流伽
※小説のネタバレの可能性があるため、気になる方は読まないことをお勧めします。
『あらすじ』
死ぬ前って、もっとワガママできると思ってた。
二十歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。
笑顔でいなければ周りが追いつめられる。
何かをはじめても志半ばで諦めならなくてはならない。
未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。
そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。
衝撃の結末、涙よりせつないラブストーリー。
「死ぬ準備はできた。だからあとは精一杯生きてみるよ」 
寿命と恋愛ものを掛け合わせた王道ものという印象。
そういったものに普段から触れられている方だと、そんな衝撃というほど衝撃の結末でもないが、考えさせられることはいろいろとありました。

個人的には恋人よりも親友との掛け合いの方が好み。
ちなみにあらずじにある趣味に情熱を注ぎというのは、この親友から始まる。

本当は恋人との関わりとか命との向き合い方とかに惹かれ、それについて論ずるべきなのかもしれないが、この親友なくしてこの作品は語れないと思う。

親友は一言でいえば、「世間とのつながり」である。
病気の影響で、引きこもりがちで心も閉じ気味の主人公を
趣味の世界に引きずりこみ、同じ趣味を持つものどうしになり、他の同じ趣味の人とのつながりを作っていく。
最終的にそこで壁にぶつかったりと、いろいろあるのだが、そこは割愛する。
他人とのつながりの中で、承認され成長されていくのは、親友を通じ世間とつながっていくところである。

命の期限に関係なく、懸命に生きることの尊さと葛藤が感じられると思うので、
それを感じられるだけでも読む価値はあると思います。

一方恋人との出会いはネタバレになるので詳しくは避けるが、
同窓会で出会って関係性を発展させていく。

恋はしないと決めていた主人公の心境の変化も見ものの一つではあると思うが、
そこは読んで実際に確かめてほしい。

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