【読書日記】ものづくりのイノベーション「枯れた技術の水平思考」とは何か?

題名:ものづくりのイノベーション「枯れた技術の水平思考」とは何か?
著者:横井 軍平
読了時間:1時間(207ページ)

本のタイトルにもなっている「枯れた技術の水平思考」とは
任天堂の救世主でかの有名なゲーム&ウォッチを作った横井軍平の考えで、
ビジネスマンとりわけ技術者は肝に銘じておくべき考えだと思います。

  高価だった電卓の技術を安価になってからゲームの作成技術に横展開する

ゲーム&ウォッチは電卓が元らしいですが、電卓技術を水平思考、つまり横展開してゲームにしました。
枯れた技術とはこの場合、高価だった電卓の技術が安価になるのを待って使うことを指しています。
これによって安く今までにないものをお客様に届けていたようです。
天下の任天堂にいながらも最先端技術を使いたがることに釘を刺していたのは面白いと感じます。
技術者としては、最新の技術を使いたくなりますが、
それによって提供するものが高価になっては普及も難しくなりますし、
本当に必要なところに必要なものが届かなくなる気がします。

  ゲームボーイと同等のものがカラーで他社から発売されたとき

発売当初のゲームボーイをプレイされたことがある方はわかると思うのですが、
今の携帯ゲーム機と比べるとかなり重く、画面表示の色も白黒でした。
(ポケモンの第一世代ではものすごくお世話になりました)
じゃあ次出すのはカラー表示の筐体かということで、
部下からはカラーで出しましょうと言われていたらしいですが、
横井氏はこれを何度も突っぱねたそうです。
そうこうしていると、他社が先んじてカラー表示の筐体が出て、
部下たちはかなり慌てたそうですが、
横井氏はカラーと聞いてむしろ安心したと言ったようです。
そしてその考えは的中し、カラー表示の筐体はすぐに市場から姿を消しました。
理由としては、カラーにしたことによって他の機能が劣化した(電池の消耗が激しかった)ためとされています。
機能をただ良くするだけではダメで、本当に必要とされているか、
何故必要なのか、そこに立ち返らせてくれるエピソードだと思います。

  まとめ

この技術すごいじゃんとか、これは絶対に喜んでくれるはず、と思ってやってみると、
火傷することが多々あるかと思います。
一人よがりにならないことも大事だし、既存のものでも視点を変えれば実はもっと有効に使えるということも時折考えなくてはいけません。
そんなことを肝に銘じさせてくれる一冊です。

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